思い付くまま『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(1)

色々なアニメの思い出やら所感やらを、思い付くままに書き出してみる新企画。
記念すべき1回目は、待望のアニメ化を果たした『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』について。

僕は本作を『ガンダムエース』創刊号で連載が始まった時からリアルタイムで読んでいたクチなので、丸10年に渡る長期連載が完結した時は感慨深かったっけ。
そして、まさかまさかのアニメ化が発表。その後は音沙汰無かったけど、「過去編」が劇場シリーズとして公開されるに至り、またも感慨深くなったもんさ。




■セイラが死ぬ?ガルマが生き残る?
愛蔵版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN vol.1 始動編

愛蔵版 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN vol.1 始動編

僕が『THE ORIGIN』を知ったのは、まだ連載開始前。『ニュータイプ.com』(インターネットを特集した『ニュータイプ』の増刊誌)に『ガンダムエース』の創刊と『THE ORIGIN』の連載開始が報じられていた。
そこに載っていた安彦良和先生のインタビュー記事には、連載に向けた意気込みと共に「アニメと同じ展開になるとは限らない。セイラが死ぬかもしれないし、ガルマが生き残るかもしれない」と、衝撃的なコメントを寄せていた。
結局はアニメと同様、セイラは生き残ってガルマが戦死したのは御存じの通り。安彦先生としては「驚くべき展開があるぞ」という例えで言ったと思われる。


■「ORIGIN・オブ・ORIGIN」こと「過去編」
機動戦士ガンダム THE ORIGIN(9) (カドカワコミックスAエース)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN(9) (カドカワコミックスAエース)

「過去編」が始まったのは、アニメ版で言えばジャブローでの戦いの後。ここまでは部分的なエピソードの改編や追加はあったけど、展開は概ねアニメ版と同じ。リアルタイムで読んでいた僕は「この先もアニメ版と大体同じ展開が、何年も延々と続くのかなぁ」と、正直飽き始めてきた。そんなマンネリを感じてのテコ入れか、それとも連載は軌道に乗った時点で始める予定だったのか、はたまた連載終了を少しでも先送りするための引き伸ばしだったのか。
ともあれ、この「過去編」が『ORIGIN』のターニングポイントにしてセールスポイントになったことは、今回のアニメ化が示した通り。
極論すると『ORIGIN』におけるアニメ版の部分は後日談で、「過去編」こそが『ORIGIN』の本編。まさに「ORIGIN・オブ・ORIGIN(起源、源泉)」と呼ぶべき箇所になっている。
「過去編」の各パートの感想については稿を改めて。


■『ORIGIN』再び……?
そんな『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』が今月、劇場アニメの公開に合わせて単行本最新刊が発売予定。
もっとも「特別編」と銘打たれているように、連載終了後に発表された読切をまとめた物。後日談としてセイラやアムロの戦後が描かれている。ジオン残党との「事件」はあっても基本的には平和な様子が描かれていて、『Zガンダム』に繋がるような雰囲気は無し。まぁ、当たり前か。
この「特別編」の売上が良ければ、今後も読切が不定期連載されて……というのも期待してしまう。後日談や戦中のサイドストーリー(「時間よ、とまれ」とか「ククルス・ドアンの島」とか)を、安彦先生独自の筆致で描いて欲しい気もする。