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ぽすたるワイド的ニュースデスク(『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』)

今回は第2話の公開を間近に控えた『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のニュースをまとめて紹介。

風よ 0074(数量生産限定盤)

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■『ガンダムTHE ORIGIN』キャスバル役・田中真弓は『巨神ゴーグ』から、安彦総監督明かす(アニメ!アニメ!)

巨神ゴーグ』には田中さんだけでなく、重要なライバル役、ロッド・バルボアを演じた池田秀一さんがいる。池田さんは言わずと知れた、シャア・アズナブルの声としても知られた声優だが、2014年1月に刊行された『巨神ゴーグ』のムック本では田中さんと池田さんの対談が収録されている。その本を手にし対談を読んだ安彦総監督が、「シャアは池田さんだし、その少年時代のキャスバルを田中さんが演じるのはいいかも」と閃いたのだという。すぐに『THE ORIGIN』の藤野貞義音響監督へ電話をしたとのこと。
キャスティングは基本、周囲のスタッフに一任しているが、田中さんだけは総監督権限で安彦さんが決めたと打ち明けた。
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巨神ゴーグ DVD-BOX

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巨神ゴーグ メモリアルアートワークス

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10月末に行われた東京国際映画祭にて『ORIGIN』1話が上映された際のニュース。
キャスバル役が田中真弓さんと発表された時には「安彦作品繋がりで『巨神ゴーグ』みたいだな」と思ったファン(基本的にアラフォー)も多かったみたいだけど、さもありなん。田中真弓さんが『ゴーグ』で主人公・悠宇を演じていたこと、更には同作でのライバルであるロッドを池田秀一さんが演じていたことが、田中さんをキャスバル役に抜擢する決め手になったという。
『ゴーグ』は安彦さんが原作・監督・キャラクターデザイン・作画監督を務めた、「純正の安彦アニメ」と言うべき作品。そこに加えて「新旧(?)キャスバルの共演」という箔も着いた。折しも人気ゲーム『スーパーロボット大戦』への参戦も果たしたし、これを機に観てみるのもオススメ。


■『ガンダム THE ORIGIN II』初日あいさつに2人のシャアが登場、池田秀一のツッコミに関俊彦もタジタジ(マイナビニュース)

池田演じるエドワウと風貌が瓜二つのシャアを演じたことについて、関は「原作の『ガンダム THE ORIGIN』を知らなかったので、オーディションで"本物のシャア"という単語を見てびっくりしました。エドワウと同等の存在感を出しつつ、エドワウと正反対の性質を出せるようにすごく頑張りました」とコメント。池田が「敬愛する関さんに本物のシャアをやってもらいたかった」と話し、続けて「関さんは違う『ガンダム』シリーズで仮面かぶってなかった?」と指摘すると、関もタジタジの様子だった。
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続いて『ORIGIN』2話の上映初日舞台挨拶のニュース。1話の田中真弓さんに続き、2話のゲストは関俊彦さん。演じるキャラクターは、なんと「シャア・アズナブル」。ええーっ!キャスバルことエドワウと、シャア・アズナブルって、同一人物じゃなかったのかーっ!(※必要以上に大袈裟に驚くのがコツだ)
で、関さんが池田さんからツッコミ受けていた「違う『ガンダム』シリーズで仮面を被っていたキャラ」とは、ご存じ『機動戦士ガンダムSEED』のラウ・ル・クルーゼのこと。『SEED』自体が「21世紀のファーストガンダム」がコンセプトの作品なので、敵のエースパイロットであるクルーゼはキャラデザインも言動もシャアへのオマージュに溢れている。
そんなクルーゼを演じた関さんが、今回の『ORIGIN』で「本物のシャア・アズナブル」を演じたのも、ガンダムシリーズにおける縁のような物か。


安彦良和が『ガンダム』の伏流水から獲得した歴史性、そして『ORIGIN』に込めた画の力「2Dの画は捨てがたいもの、日本のアニメの基盤」(マイナビニュース)

――シャアというキャラクターの内面を語る時「ザビ家への復讐」がフォーカスされがちですが、第2話を観ると彼を決定的に変えたのは父ダイクンの死ではなく、母アストライアの死であることを強く感じました。母の死を知ったシーンは、漫画原作よりさらに暗く、重さが強調されて見えます。


キャスバルがシャアへ、あるいは違う"何か"に変わってしまうきっかけはどこにあったのか。それは、やはりアストライアの死にある。おっしゃるとおり、ダイクンではないと思っています。その母の死で生まれた歪みが、復讐の意思に変換されていく。この時点でキャスバルには、後のシャアの原型が形づくられていたことになります。このシーンを観て、映像はやはり強いなと。だから、基本僕の漫画をなぞってはいるんだけれども、映像の強さを再認識しました。
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ここからは安彦良和先生による『ORIGIN』執筆の裏話。
ガンダムシリーズにおけるシャアは圧倒的な存在感と人気を誇るため、ファンからは「格好良いライバル」とか「ガンダムの真の主役」とポジティブに語られている。しかし、安彦先生曰く「シャアは本来ネガティブなキャラクター」ということで、『ORIGIN』ではそれを意識して描いたとのこと。その象徴が過去編であり、「母の死を切っ掛けにザビ家に復讐を誓う」というシャアの姿だという。
父ダイクンの存在はアニメはもちろん、続編である『Zガンダム』や『逆襲のシャア』でも触れられていて、それが「父の意思を受け継ぐヒーロー」というポジティブな魅力にも繋がっていた。でも、敢えて「母の死で歪んで復讐に向かう」とすることで、人間臭さも出るしネガディブなイメージも出てくる。


ガンダム安彦氏が『ORIGIN』に託した情念 シャア・アズナブルは何のために戦うのか(東洋経済オンライン)

――「機動戦士ガンダム」に出てくる登場人物の何気ない一言が、オリジンでは重要な意味を持つということが多々あります。そういうセリフに重要な意味があると、当時から考えていたのですか。あるいは、オリジンのストーリーを作るにあたって、そのセリフを膨らませようと思ったのですか。


当時から引っ掛かっていたものもあれば、今回あらためて気づいたこともある。ストーリー作りに際しては、アドバイザー的なスタッフたちとブレーンストーミングをときどきやっています。そうすると、僕が気づいていなかったセリフが出てきたりする。
たとえば、さきほどのシャアの性格付けですが、『機動戦士ガンダム』の後半で登場するララァというキャラクターについて、「ララァは私の母親になってくれるかもしれない女性だった」というセリフがあったと、ブレーンの1人が言っていたんです。
僕は記憶になかったのですが、それは『機動戦士ガンダム」ではなく、「逆襲のシャア」という映画でのセリフだった。でも「それだ!」と思って、シャアの復讐の動機を父親の死ではなく、母親の死にすることにしたのです。
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こちらのインタビューでは「母親の復讐」を含めた、ストーリー作りの裏話。原典であるファーストガンダムのセリフだけでなく、スタッフとの打ち合わせからも思わぬアイディアが出てくるらしい。
その最たるものが『逆襲のシャア』におけるシャアの、それも生涯(劇中)最後のセリフである「ララァは私の母親になってくれるかもしれない女性だった」。続編にあたる作品で富野由悠季監督が考え、打ち合わせでスタッフが挙げたセリフが、巡り巡って『ORIGIN』におけるシャアの行動原理に結び付いたのだから。
他にもキシリアの「子供の頃のキャスバル坊やと遊んであげたことがある」というセリフや、デギンがガルマの死を悲しむシーン、マ・クベの骨董好きという設定。それらを安彦先生が掘り下げて、『ORIGIN』で独自の解釈を加えて描いている。この点は実際の「歴史」を元にした多くの漫画を発表してきた安彦先生の本領発揮と言うべきか。


『ORIGIN』の本編自体はファーストガンダムと概ね同じで、それこそ架空戦記モノのように全く異なる歴史が描かれることは無かった(連載前のインタビューでは「セイラが死ぬかもしれないし、ガルマが生き残るかもしれない」とコメントしていたけど)。故に、ファンの間では物足りなさを指摘する声もあるらしい。
でもそれは安彦先生がファーストガンダムを、実際の歴史と同じ「変えられようの無い既存の事実」と尊重した上で、得意とする歴史漫画のノウハウの注ぎ込んで描き上げたのだから。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』とは、30年以上前にファーストガンダムに携わった全ての関係者(当時のアニメーター・安彦良和を含む)と、執筆時点での漫画家・安彦良和による、奇跡の合作と考えるべきなのかも。