声優さんアーリーデイズ特集(久川綾編)

ベテラン声優さんの若き日の出演作を紹介する企画「アーリーデイズ」を、久々にやってみる。


今回紹介するのは久川綾さん。1990年代には『美少女戦士セーラームーン』のセーラーマーキュリーこと水野亜美を演じて大ブレイクして、当時のいわゆる「アイドル声優」の代表格としてアーティスト活動やラジオパーソナリティとしても大活躍。特に冠番組の『久川綾のSHINY NIGHT』は、色々な意味でアニラジ界の伝説となっています(今回はあくまでも「声優・久川綾」の紹介なので、その辺は省略。興味のある方は各自調査をお願いします)。
そして今年は、声優としての代表作である『カードキャプターさくら』が18年ぶりに復活。もちろん久川さんも引き続きケロちゃん役で出演と、長年のファンとしては嬉しい限り。これを機に「声優・久川綾」に興味を持った人も多いと思うので、そんな人向けに「久川綾のアーリーデイズ」を紹介します。


「カードキャプターさくら」主題歌コレクション

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「カードキャプターさくら」CHARACTER SONGBOOK

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久川綾 ゴールデン☆ベスト

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■1989年『新ビックリマン』(プッチー・オリン)
新ビックリマン DVD-COLLECTION VOL.1

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新ビックリマン DVD-COLLECTION VOL.2<完>

新ビックリマン DVD-COLLECTION VOL.2<完>

80年代末に爆発的ブームを起こしたシール付きチョコレート『ビックリマン』のアニメ化2作目。久川綾さんにとって記念すべき初レギュラー作品で、しかも物語のカギを握る謎のマスコットキャラという重要な役どころ。でもセリフは基本的に「プッチー!」のみ。それで喜怒哀楽を表現するのは大変だったと、久川さんは振り返っています。
本作の放送枠はテレビ朝日系日曜朝8時30分という、後の「プリキュア枠」。そして「個性的なマスコットキャラ」という要素は『カードキャプターさくら』のケロちゃんにも通じる。まさに声優・久川綾のその後に繋がる作品とキャラクターなので、未見の方は是非ご覧になって下さいな。
なお、本作をリアルタイムで観ていた僕は「このナントカ綾っていう声優さん、初めて見る名前だなぁ。新人さんからセリフも"プッチー!"しか喋らせてもらえないのか」と失礼千万な事を思っていたのは内緒の話。


■1990年『RPG伝説ヘポイ』(ミーヤ・ミーヤ)
RPG伝説ヘポイ DVD-BOX

RPG伝説ヘポイ DVD-BOX

タイトルが示すとおりRPGゲームを彷彿とさせるファンタジー世界を舞台にしたロボットアニメ。久川さん演じるミーヤ・ミーヤは勝ち気でセクシーな猫型獣人ヒロイン。しかも「ミーアのキャラソン」という位置付けでED曲を自ら作詞して歌唱という破格の扱い。「神様だってイチコロ!」とか「とびきり危険なダイナマイトキャット!」という歌詞を、デビュー間もない頃の久川さんが作詞していたという事実は……うん、萌える!


■1990年『魔物ハンター妖子』(真野妖子)
魔物ハンター妖子 DVD-BOX

魔物ハンター妖子 DVD-BOX

久川綾"主演"の美少女戦士物」といえばコレ!
チャイナドレス姿の魔物ハンター・真野妖子の活躍を描いた物語で、1990年に公開の劇場版を皮切りにOAVやゲーム(メガドライブPCエンジン)とメディアミックス展開された作品。アニメ誌でも頻繁に紹介されていて、特にOAV専門誌(※当時はそんなアニメ誌が存在し得たんだよ!)の「アニメV」ではコミカライズが連載されていたり、別冊ムックが刊行された程。そしてOAV(今で言う深夜アニメ相当)だけあって、サービスシーンも満載。特に妖子の変身シーンは「服が破れる」というご期待通りのお約束だぞ。
また久川さん自身も各作品のED曲やキャラソンを歌ったり(一部の曲は作詞も手掛けている)、ミュージッククリップ集では実写PVで出演したり、上映イベントでは妖子のコスプレ(!)も披露したりと大活躍。ひょっとすると『セーラームーン』以上に「アイドル声優久川綾」のブレイクに貢献した作品かもしれない。


■1994年『ママレード・ボーイ』(鈴木亜梨実)
ママレードボーイ全曲集

ママレードボーイ全曲集

今年、実写版映画が公開予定の同名少女漫画のアニメ版で、両親同士の「パートナー交換」によって同居することになった高校生カップル・光希と遊によるラブコメ作品。なお、こちらも放送枠は今の「プリキュア枠」というのは衝撃の事実。
久川さん演じる亜梨実は、遊の元カノ。外見は青髪ショートヘアの美少女という、『セーラームーン』の亜美ちゃんを彷彿させるキャラだけど。勝ち気で挑戦的な性格で、恋のライバルとなる光希にもキツい態度を取るという。言うなれば「黒い亜美ちゃん」。当時の久川さんにしては珍しく、悪役とは行かないまでも「敵役・嫌われ役」となるキャラだったなぁ。


・・・と、久川さんのデビュー間もない頃の代表作を、今でもDVDなどで視聴可能な作品からチョイスしてみました。『セーラームーン』や『ああっ女神さまっ』はお馴染みなのであえて外しました。個人的には『セーラームーン』以前の出世作である『ダイの大冒険』(レオナ役)や、育成ゲームが原作のOAV『卒業~Graduation~』(中本静役)、ラジオ『SHINY NIGHT』誕生の切っ掛けとなったOAV『黄龍の耳』(伽奈子役)も紹介したかったけど、DVD化されていないため見送りました。デジタル化以前の作品は、今となっては視聴が難しい物も多くて残念です。
ともあれ、久川さんは今年で声優デビュー30年目という節目を迎えられるワケですし、これを機に今回紹介した懐かしいアニメを観て「声優・久川綾」の創成期を堪能するのも良いですよ。