声優さんアーリーデイズ特集(林原めぐみ編)

ベテラン声優さんの若き日の出演作を紹介する企画「アーリーデイズ」の再開第2弾。
今回アーリーデイズを紹介するのは林原めぐみさん。言わずと知れた90年代以降の声優ブームの「源流」であり、スターシステムよろしく主人公やヒロインを演じて自ら主題歌を歌う(しかも作詞も御自身)という「林原アニメ」が幾つも生み出されました。
そして近年では、新譜のリリースや待望の1stライブ開催など、再び活発な音楽活動を見せています。


タイムカプセル

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with you【期間限定盤】

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そんな林原さんの「初期作品」といっても、どの辺りまでを「初期」と定義すればよいのやら……。出演作品自体も膨大な量になるので、上記の「林原アニメ」はできるだけ外して以下の5作をチョイス。
今となっては「あぁ、あの作品か」という程良いマニアックさや懐かしさを感じる作品かと思います。


■1989年『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(クリスチーナ・マッケンジー)
機動戦士ガンダム 0080 「ポケットの中の戦争」 Sound Sketch 1

機動戦士ガンダム 0080 「ポケットの中の戦争」 Sound Sketch 1

機動戦士ガンダム 0080 「ポケットの中の戦争」 Sound Sketch 2

機動戦士ガンダム 0080 「ポケットの中の戦争」 Sound Sketch 2

前年公開の『逆襲のシャア』で一区切りしたガンダムシリーズの新展開として制作された、初のOVA作品。林原さん演じるクリスは主人公の少年・アルの「隣のお姉さん」にして、連邦のテストパイロット(即ち「ガンダムパイロット」!)というシリーズでもキャラ。
林原さんにとっては初の、そして意外にも(現時点では)唯一のガンダム出演作品。人気声優としてブレイクしてからは「両雄並び立たず」の如く、ガンダムとは縁が無くなっているのは寂しいところ。
また、林原さんは本作のイベントで主題歌をカヴァーした事が切っ掛けで、キングレコードからアーティストデビューすることになったという。その意味でもターニングポイントとなった一作。


■1989年『天空戦記シュラト』(那羅王レンゲ)
聖闘士星矢』『鎧伝サムライトルーパー』などのヒットを受けて作られた「プロテクター物」で、インド神話をベースにした作品。
林原さん演じるレンゲは、メインとなる「八部衆」の紅一点。男勝りの性格かと思いきや、実は敵の親玉を愛していて、それ故に主人公たちと敵対するという展開も。
本作はタツノコプロ製作で、あかほりさとる氏のデビュー作としてもお馴染み。この作品が縁になって、林原さんが「あかほり作品」の常連となっていく。


■1990年『平成天才バカボン』(バカボン
平成天才バカボン DVD-BOX

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もはや説明不要。赤塚不二夫によるギャグ漫画のアニメ化2作目。今となってはネタとしか思えない「バカボン役・林原めぐみ」というキャスティングだけど、実は前番組の『おそ松くん』では六つ子の一人・トド松を演じていたので、その流れもあったのかも。
なお、後年の林原さんのエッセーによると、オーディションを受けたのはバカボンではなくハジメちゃんの方だったとか。そして事務所から「"バカボン"に決まりました」という連絡を受けても「バカボン』に(ハジメちゃん役での出演が)決まりました」だと勘違いしていたというエピソードも。


■1992年『宇宙の騎士テッカマンブレード』(アキ)
タツノコプロによる名作SFヒーローアニメのリメイク版。宇宙からの謎の侵略者・ラダムに立ち向かうDボゥイこと「テッカマンブレード」の孤独な戦いが描かれる。
林原さん演じるアキは作品のヒロインにしてDボゥイを支える仲間。しかし、彼女自身は普通の人間で、愛するDボゥイの戦いを見守り、勝利を祈ることしかできない。そんな己の非力に嘆き悲しむという、ある意味では悲劇のヒロイン。
しかし、続編のOAVではその鬱憤を晴らすように、なんと「テッカマン・アキ」に変身して大暴れ!このギャップに震えろ。


■1993年『熱血最強ゴウザウラー』(立花浩美)
小学生が巨大ロボットに載って地球の平和を守る「エルドランシリーズ」の、最終作となる第3作目。
林原さん演じる浩美(名前は女の子っぽいけど男の子)はゴウザウラーパイロットの一人。性格はやや弱気で、序盤では戦闘を拒否するシーンもあったけど、それでもパイロットとして最後まで戦い抜いた。
そして特筆すべきなのは、「アーティスト・林原めぐみ」としてED曲『OUR GOOD DAY… 僕らのGOOD DAY』を担当していること。声優が出演作品(それもキッズ向けの通年ロボット作品)を、キャラソンなどではなく本人名義で担当するのは、当時としては異例の大抜擢だった。その意味でも、この後に数多く作られる「林原アニメ」のルーツとも言うべき作品。


・・・・・・と、林原めぐみさんの本当に最初期の出演作を、独自にピックアップして紹介してみました。本当に初期の初期、最後に紹介した『ゴウザウラー』ですら四半世紀前の作品なのだから、林原さんが積み重ねてきたキャリアには圧倒されるばかりです。
90年代中期になると『BLUE SEED』『スレイヤーズ』『セイバーマリオネット』といった「林原アニメ」が前世になるワケですが、その前の「アーリーデイズ」の作品もオススメですよ。