声優さんアーリーデイズ特集(坂本真綾編)

ベテラン声優さんの若き日の出演作を紹介する企画「アーリーデイズ」の再開第6弾。
今回は坂本真綾さんのアーリーデイズを紹介。

CLEAR

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ハロー、ハロー

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逆光(MAAYA盤)

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逆光(FGO盤)

逆光(FGO盤)

真綾さんといえばデビュー時から声優活動とアーティスト活動を両立していて、声優として出演していないけれど主題歌は担当している作品(『CLAMP学園探偵団』『地球少女アルジュナ』『WOLF'S RAIN』など)も多いのですが、ここでは「声優・坂本真綾」として出演している作品を紹介します。







■1996年『天空のエスカフローネ』(神崎ひとみ)
もし私が、このペンダントが13回揺れる間に100メートル走れたら、13秒の壁をやぶれたら、…私の ファーストキス、お願いします!!」(1話のセリフより)
声優としてもアーティストとしても、坂本真綾を語る上で絶対に欠かせない作品。声優として初レギュラーにして初主演、そして主題歌『約束はいらない』も担当という異例の大抜擢。当時16歳(!)の初々しさに溢れた演技と歌声が詰まっています。
真綾さん演じる主人公・ひとみは陸上部に所属する活発な女子高生。しかしある日突然、異世界に召喚され、亡国の王子と運命的な出会いを果たし、数々の冒険を経て成長する。そんなひとみの姿は、大抜擢を経て声優として成長する真綾さん自身とも重なって観えます。
なお、2000年に公開された劇場版『エスカフローネ』は、本作の続編ではなくパラレルワールドの話。こちらのひとみは陸上を断念したことから自身の消滅を願うなど、一転して影のある性格。そんなひとみを新たに演じたのも、真綾さんの声優としての成長を感じさせます。


■1998年『ロードス島戦記-英雄騎士伝-』(リーフ)
ご存知、日本におけるファンタジーの源流である名作のテレビアニメ化。なお、90年代初期のに制作されたOAVの続編ではなくリメイク的な作品で、パーンからスパークへの「主人公の世代交代」も描かれています。
真綾さん演じるリーフはスパークの仲間シリーズ後半より登場。お転婆なエルフ少女で、当時の真綾さんには珍しいキャラだっという印象。
そして特筆すべきは、真綾さんが歌った主題歌『奇跡の海』。本作のイメージを具現化した壮大な一曲なので、ぜひとも御一聴のほどを。


■1998年『Night Walker -真夜中の探偵-』(山崎理保)
Night Walker-真夜中の探偵- DVD-BOX

Night Walker-真夜中の探偵- DVD-BOX

マイナーな作品をチョイスしてみる。いわゆるエヴァブームの影響で、当時大量制作された深夜アニメの一作。原作は成人向けパソコンゲームで、「エロゲー原作のテレビアニメ」としては最古とも言われている。なお、本作では主題歌などを担当していない作品でのレギュラー出演ということで、結構レアかも。
物語は、現代に巣食う吸血鬼と戦う探偵・紫藤の活躍を描いたサスペンス物。そして真綾さん演じる理保は紫藤を慕う女子高生で、押しかけ女房よろしく助手を務める。そんな彼女にも、両親を吸血鬼に殺されたという悲しい過去があり、それが終盤で思わぬドラマを呼ぶことに…。


■2000年『劇場版カードキャプターさくら 封印されたカード』(『無』のカード)
カードキャプターさくら』の劇場版第2作にして、いわゆる「さくらカード編」の後日談が描かれた、旧シリーズにおける完結編となる作品。真綾さんと『さくら』といえば、「さくらカード編」の主題歌である名曲『プラチナ』や、長年の時を経て復活した「クリアカード編」の主題歌『Clear』がお馴染みですが、声優として出演したのは本作のゲスト出演が(現時点では)唯一となっています。
真綾さん演じる「『無』のカード」は、その名の如くあらゆる物を消し去る負の力を持つカード。その力で桜が持つカードを次々と奪ってゆくが、その姿は悲しげな表情の少女で…。旧シリーズの完結に相応しい、ドラマティックなゲストキャラを、見事に演じています。


■2002年『ラーゼフォン』(美嶋玲香)
ラーゼフォン Blu-ray BOX

ラーゼフォン Blu-ray BOX

ロードス島戦記』や『機動警察パトレイバー』を手掛けたアニメ界の人気デザイナー・出渕裕の初監督作品として話題になった作品。出渕監督自身が「『勇者ライディーン』へのリスペクト」と公言していたように、ファンタジー色の強いロボットアニメとなっています。またテレビシリーズの好評を受けて、翌年には設定やストーリーを再構築した劇場版も公開されています。
真綾さん演じる玲香は、物語のキーパーソンとなるヒロイン。主人公・綾人を導く様に現れては、意味深な言葉を残し、幻の様に消えてゆく。そんなミステリアスな玲香は、真綾さんの透明感溢れる声にピッタリ。
そしてアーティスト・坂本真綾としてもテレビシリーズ・劇場版の両作で主題歌を担当。テレビシリーズの主題歌『ヘミソフィア』は疾走感溢れるアップテンポな曲。劇場版の主題歌『tune the rainbow』は想いを熱く歌いあげたバラードと、共に作品の雰囲気にマッチした名曲です。


…と、坂本真綾さんのアーリーデイズを振り返ってみました。当時の真綾さんは活動がアーティスト寄りで、主題歌を担当している作品に声優としてレギュラー出演するのが目立って(印象に残って)います。
この後、『機動戦士ガンダムSEED』『桜蘭高校ホスト部』『化物語』など声優としても「一人立ち」する様に代表作に幾つも出演するワケですが、それはまた別の機会に。