思い付くまま平成元年アニメ
30年余り続いた「平成」も、もうすぐ終わり。もうすぐ新たな元号「令和」がやってきます。
…というワケで、当Blogも便乗して何らかの記事を書こうと思ったので、30年前の「平成元年」に始まったアニメを幾つか紹介します。
いずれのタイトルも平成が終わろうとする今なお語り継がれている人気タイトルです。
■『DRAGON BALL Z』(放送:平成元年4月~平成8年1月)
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元々は「ちっちゃなヒーロー・孫悟空」の活躍をギャグタッチで描いたコメディ&アドベンチャー作品でしたが、『~Z』に改題してからは作風も一変。大人(しかも父親!)になった孫悟空が、「宇宙最強の戦闘民族」の力と宿命に目覚めて、次々と現れる強敵たちと宇宙規模の激しいバトルを繰り返す。そんな多くの人が抱く『ドラゴンボール』のパブリックイメージは、即ち『~Z』から始まっているワケです。
『~Z』自体は原作漫画全編をアニメ化して完結しましたが、その後もゲームなどで安定した人気を維持し続け、平成20年代には再編集&音声再収録によるリメイク作『~改』として復活。さらにその続編として完全新作シリーズ『~超』が平成30年まで放送され、まさに平成時代をトップランナーとして駆け続けました。
そんな『~Z』ですが、始まった頃にフィーチャーされていたのは悟空ではなく、その息子として華々しく登場した悟飯の方でした(OPやEDでもメインを張っている)。結果的にはマスコット的なポジションになりましたが、当初の予定では孫悟飯を新たな主人公にして「ちっちゃなヒーローの大活躍」を目指したことが窺えます。
■『らんま1/2』(放送:平成元年4月~平成4年9月)
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主人公・早乙女乱馬を演じる山口勝平さん&林原めぐみさんを筆頭に、山寺宏一さん・井上喜久子さん・高山みなみさん・関俊彦さんなど、本作でブレイクして「平成の声優ブーム」を牽引してゆく声優さんが大勢出演している記念碑的な作品。
また、当時としては異例な程にキャラソンもリリースされるなど、アニソンの平成史を語る上でも欠かせない作品。未見の方はご一覧のほどを…。
■『機動警察パトレイバー ON TELEVISION』(放送:平成元年10月~平成2年9月)
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機動警察パトレイバー PATLABOR TV+NEW OVA 20th ANNIVERSARY PATLABOR THE MUSIC SET-1
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機動警察パトレイバーREBOOT (特装限定版) [Blu-ray]
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前年に全6話のOAVでスタートして、劇場版の公開を経てテレビシリーズに進出。なお、本作は主人公・泉野明(いずみ・のあ)が舞台となる警視庁特車二課へ配属されるところから始まるので、これがシリーズの「本編」と言えるかも。
また、それまでのOAVはマニア向けの市場で、作品もテレビアニメの続編や外伝が殆どでした。しかし本作のヒットを切っ掛けにしてOAV発のマニア向け作品がテレビシリーズへ「進出」し、平成後期のアニメ界の主流となりました。その先駆けとなった意味でも、重要な作品です。
なお作品の時代設定は「西暦1999年」(劇中での元号も「昭和」のまま!)で、既に20年前となりました。しかし、平成28年には短編アニメ『~REBOOT』が発表され、昨年(平成30年)からはシリーズ誕生30周年としてイベント等も開催され、活発な展開を見せています。この勢いだと「令和パトレイバー」の誕生も期待できそうです。
■『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(販売:平成元年3月~8月)
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機動戦士ガンダム 0080 「ポケットの中の戦争」 Sound Sketch 1
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機動戦士ガンダム 0080 「ポケットの中の戦争」 Sound Sketch 2
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そのコンセプトも「テレビシリーズではなくOAV」、「テレビシリーズの外伝」、そして何より「富野由悠季監督が携わらない」と、当時としては異例なもの。もちろん旧来のファンからは少なからず反発があったものの、今では同様の作品が当たり前のようにファンに受け入れられているので、本作がシリーズで果たした役割の大きさを示しています。
スタッフ陣には監督に高山文彦、キャラクターデザインに美樹本晴彦、メカデザインに出渕裕とガンダムシリーズに携わっていなかった面々を抜擢。ストーリーも一年戦争末期における中立コロニーを舞台に、そこに住む平凡な少年とジオン軍の新兵、そして「隣のお姉さん」であるガンダムのテストパイロットの三人による感動的なヒューマンドラマが描かれました。ガンダムシリーズが本当の意味で「30分のガンプラCM」を脱却したことを示した記念すべき作品です。
■『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』(放送:平成元年12月~平成3年4月)
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復刻版TVアニメ・サウンドトラック「ドラゴンクエスト-組曲ドラゴン伝説-」
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原作ゲームは前年(昭和63年)に発売された『~3』が社会現象となる大ヒットを記録し、国民的ゲームの地位を確立。そして翌年(平成2年)2月に新作『~4』の発売を間近に控えて、そのプロモーション的な役割も担っていました(同様の意図で企画されたのが、後にアニメ化もされる『ダイの大冒険』)。
キャラクター原案は原作ゲーム同様に鳥山明先生が務めましたが、他に共通するのは基本的なアイテムやモンスターくらいで世界観やストーリー、そして登場するキャラクターは完全オリジナルでした。
原作ゲームも、『~3』までの登場キャラクターは「勇者」「魔法使い」「○○の王子」などの記号的な存在でしたが、『4』からは各キャラに個別の名前や設定が与えられ、それに伴いストーリー性も強くなって行きました。そんなドラクエシリーズの新展開を、このアニメ版は先んじて示しているようです。
また、主題歌である徳永英明の『夢を信じて』は今なお語り継ぎ歌い継がれている名曲です。そして放送も、一度は視聴率不振で打ち切り(有名な「ヒロインのその後と思しき老婆が、孫にラストまでのあらすじを語る」というパターン)になるも、後に1クールの続編が放送されて無事に完結しました。
…と、平成元年のアニメ作品から幾つかチョイスして紹介してみました。平成時代においてアニメからゲーム等のメディアミックスを経て「産業」となった作品もあれば、声優ブームの原点となった作品もあれば、新興メディアであるOAVやゲームから誕生した作品もあれば、そのOAVへ新たな可能性を求めて進出した作品もあり。アニメが単なる「テレビ番組や映画作品のジャンルの一つ」から、市場や産業へと成長していった。そんな時代の始まりを感じさせる「平成元年のアニメたち」でした。