フレーズ付きで紹介したいアニソン Track03~「STAND UP TO THE VICTORY」(『機動戦士Vガンダム』OP:川添智久)~

歌詞からアニソンの魅力を多くの人に知ってもらいたい!
フレーズ付きでアニソンを紹介してると嬉しい!!
・・・というアニソン好きのアナタにお送りする、ちょっぴり贅沢なコーナーをチェケェラッ(σ・∀・)σチョォォォォォォォ!!!!!


というワケで今回も僕が独断と偏見と個人的な趣味趣向で選んだお気に入りアニソンを、その魅力をより深く語るために敢えてフレーズを「引用」して紹介します。


なお「引用」であることを強調しているのは……まぁ察して。


さて、今回は2020年初のエントリーだ!
そして2020年といえば、日本中が待ちに待ったスポーツの祭典・東京オリンピックだ!
ということで、スポーツで選手たちが目指すもの、即ち!「勝利・ビクトリー」を熱く高らかに謳いあげた、このアニソンを紹介するぜ!!

STAND UP TO THE VICTORY
いくつもの朝をむかえ いつかきっと つかんでみせる
STAND UP TO THE VICTORY
その向こう側に 何も無くても かまわないから



■STAND UP TO THE VICTORY ~トゥ・ザ・ヴィクトリー~(『機動戦士Vガンダム』OP:川添智久

機動戦士Vガンダム Blu-ray Box I

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機動戦士Vガンダム Blu-ray Box II

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■Vガンダム大地に立つ!!
この曲は1993年に放送された『機動戦士Vガンダム』の前期OP曲。歌っている川添智久さんは当時の人気バンド≪LINDBERGリンドバーグ)≫のベーシスト。そして作詞は井荻麟こと、ガンダムシリーズの生みの親である富野由悠季総監督が自ら手掛けています。
この『Vガンダム』ですが、制作発表時からファンの間では期待と不安が入り混じっていました。『ZZ』(1987年放送終了)から6年ぶりとなるテレビシリーズに期待する声もあれば、続編を期待させる結末だった『F91』(1991年公開)を全て「無かったこと」扱いするような設定に不満を表す声もありました。
そして何より、当時は「勇者シリーズ」や「エルドランシリーズ」のようなキッズ向けロボットアニメが全盛だった時期。そこへ一度はブームが沈静化してテレビアニメから消えたリアルロボットの、その本家本元であるガンダムが受け入れられるのか。
そんな向かい風の中で始まった『Vガンダム』は、後に「黒富野の代表作」と揶揄されるような凄惨な展開の連続。商業的にも不振だったため、富野監督は後続のガンダムシリーズから一時降板することになります。
この辺の経緯は作品に関する諸々のインタビューや評伝で色々と語られているので、興味のある方は調べて下さいな。
電撃データコレクション(12) 機動戦士Vガンダム (DENGEKI HOBBY BOOKS)

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  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/02/15
  • メディア: Kindle
それがVガンダムだ―機動戦士Vガンダム徹底ガイドブック

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■語ろう!Vガンダム(証言:庵野秀明
そんな問題作だった『Vガンダム』ですが、それ故に熱狂的に支持する人も多く、その代表とも言えるのが庵野秀明監督です。
庵野監督は放送当時から『V』のファンを公言しており、放送終了直後にはアニメ誌「ニュータイプ」誌上で富野監督と対談を行ったほど。後年にリリースされたDVD-BOXのライナーノーツに『Vガンダム』への熱い想いを寄稿しています。その中では「『Vガンダム』を観なければアニメ監督を辞めていたかもしれないし、『エヴァンゲリオン』を作ることは無かった」と、最大級の賛辞を述べています。
そして一番好きだというのが、このOP曲。「何も出来ていない段階で"ガンダムの勝利"を謳っていて、作品のテーマにも繋がっている」「"その向こうに何もなくてもいい"と言い切っているのは、富野監督が何らかの絶望から立ち上がったことを感じる」と評しています。
果たして富野監督は、この曲の詞にどんな想いを込めたのか。庵野監督が分析したように、何かに絶望し、そこから"ガンダムの勝利"を目指したのか。そして、その向こう側には"何も無くてもいい"と思っていたのか。それは当事者ならざる身としては知り得ない、否、ひょっとしたら当事者である富野監督自身ですら分かり得ないかもしれません。
機動戦士Vガンダム SCORE 1

機動戦士Vガンダム SCORE 1

機動戦士Vガンダム SCORE 2

機動戦士Vガンダム SCORE 2



■『Vガンダム』の"その向こう側"
さて、『Vガンダム』の放送がが終って四半世紀が経った今、"その向こう側"には何があるのでしょうか。
ガンダムのテレビシリーズは、『V』から続けて放送された『G』『W』『X』の「平成三部作」を経て、『SEED』『00』『AGE』『鉄血』と制作され、それぞれが独自の世界観を展開して人気を博しました。また『V』と同じ宇宙世紀シリーズも『UC』『NT』『THE ORIGIN』と、OAVや劇場を舞台に展開を続けています。
そして何より、富野監督自身も『V』での紆余曲折を乗り越えて『∀』『Gレコ』と新作を発表し続け、80歳間近となった今なお精力的に活動し続けています。
もしも富野監督が『Vガンダム』を作らなかったら。あるいは『Vガンダム』が本当に失敗作だったら。富野監督は今なおガンダムシリーズを作り続けていたでしょうか。そしてガンダムシリーズがここまでの人気を得て、広がりを見せていたでしょうか。


かつて、『Vガンダム』と富野監督は、勝利のために立ち上がった。
そして、その向こう側でつかんだのです、ガンダムの勝利を。