声優さんアーリーデイズ特集(井上喜久子編)

ベテラン声優さんの若き日の出演作を紹介する企画「アーリーデイズ」の再開第6弾。
今回は皆さんお待ちかねだったであろう(?)、井上喜久子さんのアーリーデイズを紹介します。

井上喜久子 ベスト・コレクション

井上喜久子 ベスト・コレクション

「若き日の出演作」と言っても、皆さんご存じの通り喜久子さんは「17才」です!
20年以上前から「17才」を名乗っていて、今年で御年20歳になる娘さん(言わずと知れた声優・井上ほの花さん)がいらっしゃって、何より今年で声優歴30年の大台に突入したけれど、それでも喜久子さんは「17才」です!


そんな喜久子さん、声優としては様々な作品に出演し、その一方でご本人の「井上喜久子・17才」という唯一無二のキャラクターで絶大な人気を誇っているのはご存じの通り。
そのルーツとは、アーリーデイズとは、一体どのような作品にあるのか。それを紐解いて行きましょう。




続きを読む

声優さんアーリーデイズ特集(坂本真綾編)

ベテラン声優さんの若き日の出演作を紹介する企画「アーリーデイズ」の再開第6弾。
今回は坂本真綾さんのアーリーデイズを紹介。

CLEAR

CLEAR

ハロー、ハロー

ハロー、ハロー

逆光(MAAYA盤)

逆光(MAAYA盤)

逆光(FGO盤)

逆光(FGO盤)

真綾さんといえばデビュー時から声優活動とアーティスト活動を両立していて、声優として出演していないけれど主題歌は担当している作品(『CLAMP学園探偵団』『地球少女アルジュナ』『WOLF'S RAIN』など)も多いのですが、ここでは「声優・坂本真綾」として出演している作品を紹介します。




続きを読む

声優さんアーリーデイズ特集(沢城みゆき編)

ベテラン声優さんの若き日の出演作を紹介する企画「アーリーデイズ」の再開第5弾。
今回は沢城みゆきさんのアーリーデイズを紹介。

沢城さんは10代から声優として活躍。今では少年キャラから女性キャラ、それも美少女キャラから年長の美女キャラまで、実に幅広い演技を披露しています。また、洋画吹替や報道番組のナレーションまで、多岐に渡る活動を見せています。
そんな沢城さんも、この度「おめでた」のため、今夏より産前・産後休業、育児休業に入ることが発表されました。お仕事もプライベートも順調な歩みを続け、もうすぐ人生最大の「節目」を迎える沢城さん。そんな沢城みゆきさんのアーリーデイスを紹介します。




続きを読む

声優さんアーリーデイズ特集(水樹奈々編)

ベテラン声優さんの若き日の出演作を紹介する企画「アーリーデイズ」の再開第4弾。
今回は水樹奈々さんのアーリーデイズを紹介。

THE MUSEUM III(Blu-ray Disc付)

THE MUSEUM III(Blu-ray Disc付)

深愛 (しんあい) (幻冬舎文庫)

深愛 (しんあい) (幻冬舎文庫)

奈々さんと言えば、声優活動とアーティスト活動を長年に渡ってハイレベルで両立していることでお馴染み。声優としては自身がメイン出演を務めて、さらに主題歌も担当する「水樹奈々アニメ」が数多く作られ。アーティストとしても紅白歌合戦など多くの歌番組に出演し、日本武道館や東京ドームなどでのライブも精力的に行っている。まさに21世紀になって誕生した「声優アーティスト」の先駆者にして完成形と言うべき活躍を見せています。


そんな奈々さんにも「アーリーデイズ」は存在するわけで、今振り返ると意外な一面が垣間見えるかもしれない「アーリーデイズ」を紹介します。




続きを読む

語ろう!『キャプテン翼』~from ファミコン神拳~

前回に続いて『キャプテン翼』についての記事。


今回はちょうど30年前に「週刊少年ジャンプ」での連載が終了した直後の、原作者・高橋陽一先生の貴重なインタビューを紹介します。
出典は「ジャンプ」誌上でもなければコミック情報誌でもなく、ゲームの攻略本。当時、「ジャンプ」誌上に連載されていたゲーム紹介記事『ファミコン神拳』の増刊として、「ジャンプ」漫画のゲーム版の攻略本が発行されていました。
そして、その攻略本には巻末に漫画家のインタビューが掲載されるのが慣例でした。今回紹介する『キャプテン翼』の他にも、『ドラゴンボール』の攻略本には鳥山明先生の、『聖闘士星矢』の攻略本には車田正美先生の、『魁!男塾』の攻略本には宮下あきら先生の、当時の貴重なインタビューが掲載されていました。
この辺りは、当時の「ジャンプ」のアットホームさ、「人気漫画家のインタビュー」に対する敷居の低さ、そんなノスタルジーが感じられます。

キャプテン翼

キャプテン翼

なおインタビュアーを務める記者、もとい「伝承者」はキム皇(木村初)・てつ麿(黒沢哲哉)、そしてこの攻略本から加わったカルロス(とみさわ昭仁)の3名。ゆう帝(堀井雄二)とミヤ王(宮岡寛)が不在なのは、メインスタッフとして携わっていた『ドラゴンクエストⅢ』が発売された時期で多忙だったからでしょうか。また『ファミコン神拳』自体も長年連載していた『ドラクエ』シリーズの紹介記事が一区切りし、それに伴いタイトルも『月刊ファミコン神拳』にリニューアルされていました。
週刊少年ジャンプ秘録! ! ファミコン神拳! ! ! (ホーム社書籍扱コミックス)

週刊少年ジャンプ秘録! ! ファミコン神拳! ! ! (ホーム社書籍扱コミックス)

キャプテン翼』と『ファミコン神拳』という、共に80年代の「少年ジャンプ」を代表する両者が、連載終了後とリニューアルという過渡期に交錯したインタビューを、以下に紹介します。

"ゲームは友だちっ!!"のファミ神伝承者3人が、高橋陽一先生の仕事場を訪問。翼くんの誕生秘話など、いっぱい話を聞いてきたで!!





続きを読む

語ろう!『キャプテン翼』~アニメのリメイク編~

今回はサッカーアニメの名作、否、「デファクト・スタンダード」(=事実上の標準)と呼ぶべき人気と知名度と影響力を誇る『キャプテン翼』について。この4月から通算4回目、リメイクとしては実に3回目となるアニメ版が始まったワケですが、今回は過去2回のリメイク版について色々と書いてみます。



通常のリメイクはファンの「代替わり」を想定して、10年単位で行われるのが普通です。しかし『キャプテン翼』の場合は最初のアニメ化が1983~1986年、続編OAVのリリースが1989~1990年。それから数年おきとなる1994年と2001年に、2回もリメイクが行われました。
その背景には作品自体よりも現実世界、ズバリ言えば現実の日本サッカーにおける、未曾有のムーブメントがあったのです




続きを読む

声優さんアーリーデイズ特集(丹下桜編)

ベテラン声優さんの若き日の出演作を紹介する企画「アーリーデイズ」の再開第3弾。
今回は丹下桜さんのアーリーデイズを紹介。

「カードキャプターさくら」主題歌コレクション

「カードキャプターさくら」主題歌コレクション

「カードキャプターさくら」CHARACTER SONGBOOK

「カードキャプターさくら」CHARACTER SONGBOOK

丹下さんといえば、木之本さくらを演じた代表作『カードキャプターさくら』が、実に18年ぶりに「続編」として復活。そして皇帝ネr…もとい「赤セイバー」を演じて大人気の『Fate/EXTRA』も、待望のアニメ化を果たしています。まさに、来ている・・・20世紀末に一度は訪れて、しかし丹下さん自身によって突然に幕を下ろされて、伝説の彼方へ消えて行ったはずの「丹下桜の時代」が、約20年の時を経て再びやってきたぞぉぉぉぉぉーっっっっ!!!!歓喜の咆哮)


……というワケでここでは、丹下さんが2000年に声優活動を一時休止するまでの出演作品から、現在DVDがリリースされている作品を中心に紹介します。







■1994年『ママレード・ボーイ』(佐久間すず)
ママレードボーイ全曲集

ママレードボーイ全曲集

今年は実写映画も公開されるなど、今なお根強い人気を誇るラブコメ漫画のアニメ化作品。そして丹下さんにとっては記念すべき声優デビュー作品。
丹下さん演じる佐久間すずは、シリーズ後半から登場。家庭教師のアルバイトを始めた遊の教え子で、いわゆる「引っかき回し系の後輩キャラ」。丹下さんの初々しい演技も相まって、何ともコケティッシュな魅力に溢れている。デビュー作でありながら、すでに「This is 丹下桜」と呼ぶべき名刺代わりのキャラ。


■1995年『ときめきメモリアル』(秋穂みのり)
月刊ときめきメモリアル(1)

月刊ときめきメモリアル(1)

あなたの恋のサポーター、丹下桜です!」(←至高の挨拶)
ご存知、恋愛シュミレーションゲームの礎を築いた不朽の名作。丹下さんは同作をフィーチャーした文化放送のラジオ番組『もっと!ときめきメモリアル』のパーソナリティに(ゲームには出演していないにも関わらず)抜擢され、その可愛らしいヴォイスから紡ぎだされる恋愛トークが爆発的人気をゲット。その勢いに乗って「丹下桜用キャラ」として秋穂みのりが設定され、ラジオドラマへ逆輸入よろしく出演を果たした。
ラジオ番組は一旦終了するものの、ファンからの熱い要望によって「月刊ラジオCD」として継続し、1997年からは『もっと!モット!ときめきメモリアル』として復活。また、丹下さん自身もゲームの発売元であるコナミのレーベルからアーティストデビューするなど、「ラジオパーソナリティ&アーティスト・丹下桜」としてブレイクを果たすことになる。


■1998年『アンドロイド・アナ MAICO 2010』(MAICO)
アンドロイド・アナ MAICO 2010 DVD-BOX

アンドロイド・アナ MAICO 2010 DVD-BOX

アンドロイド・アナMAICO2010/音楽編アルバム1?MAICO印の選曲屋さん

アンドロイド・アナMAICO2010/音楽編アルバム1?MAICO印の選曲屋さん

当時の『エヴァンゲリオン』ブームを受けて、アニラジに力を入れ始めたニッポン放送のラジオドラマから生まれた作品。
(放送当時から見て)近未来である西暦2010年のニッポン放送を舞台に、バーチャルアイドルならぬ「アンドロイドアナウンサー」として開発されたMAICOのポンコツ…もとい活躍を描くコメディ。
MAICOを取り巻くキャラも「無茶な番組を押し付けられたディレクター」「うだつの上がらないAD」「スポンサーの顔色をうかがう編成部員」と、業界モノらしく世知辛い面々ばかり。だからこそ、アンドロイドという非現実的な存在であるMAICOの無邪気さが際立っていた。
あと、丹下さんがMAICO名義で歌っている主題歌『MAICOは踊る』は今でいう「電波歌」で、一度聴いたら忘れようとしても忘れられない強烈さなので、興味のある方は御一聴くださいな。


■1999年『トラブルチョコレート』(ヒナノ)
こちらもラジオ番組発の作品。TOKYO-FMにて、氷上恭子さんと共にパーソナリティを務めたのラジオ番組『丹下・氷上のトラブルチョコレート』から誕生し、ラジオドラマを経てアニメ化された作品。
作品の舞台は魔法が当たり前のように存在する世界の学園で、丹下さん演じるヒナノは突然人間の美少女になってしまった天然ボケの妖精さん。口癖の「わっちゃ!」「じゅうぶんです!」も相まって、凶悪な可愛らしさ。
で、物語の方は……なんとも説明が難しいドタバタコメディなので、とりあえずご覧になって下さいな(投げやり)。
なお、OP曲とED曲(後半)も丹下さんが氷上さんとのデュエットで歌っていて、しかも当時アニメに進出したばかりのavexが音楽に関わっていたから、このOP&EDも「avex感」が溢れる曲になっている。特にEDは松田聖子の名曲『あなたに逢いたくて』のパラパラ風カヴァーバージョンという変化球ぶりだぞ。


■1999年『無限のリヴァイアス』(和泉こずえ)
後に『プラネテス』『コードギアス 反逆のルルーシュ』などのヒット作を送り出す谷口悟朗監督の、記念すべき初監督作品。また脚本家・黒田洋介出世作としてもお馴染み。謎の巨大宇宙船「リヴァイアス号」の明日無き逃避行と、艦内で「子供だけの社会」を築いた少年少女たちの苦悩を真正面から描き、アニメファンの間でも話題となった。
丹下さん演じる和泉こずえは、一見すると作品世界から浮いている天真爛漫なキャラ。お遊び色が強いCDドラマでは「中の人ネタ」で「魔法少女になりまーす!」なんてセリフもあったり。しかし、絶望的な逃避行の末に艦内のフラストレーションが極限に達した時、その性格が乗員たちの怒りを買って……。シリーズ終盤の悲劇のトリガーを引く重要なキャラ。
丹下さん自身も、こずえを演じるのには随分苦労したらしく、特に共演した桑島法子さんには「"あんな酷いセリフ"を言ってゴメンね!」と謝るほどだったとか。


…という具合に、丹下桜さんの休業前の代表作をチョイスして紹介してみました。例によって、2000年頃以前(映像ソフトがVHSとLDの時代)の作品はDVD化されていないのも多く、今では視聴が難しいのは残念な限り。
特に『MAZE☆爆熱時空』シリーズ(1996~1998年)がDVD化されていないのは、返す返すも残念。当時のヒットメーカー・あかほりさとる氏の小説をアニメ化した作品で、OAV⇒テレビシリーズ(当時としては先駆的だった深夜枠での放送!)⇒劇場版と、メディアミックスを一巡する程のヒットとなった。その内容も、今ではお馴染みとなった「主人公が異世界転生」で、更に「昼は女性、夜は男性」というTS(性転換)要素も含んでいたのだから、まさに時代を先取り。そして何より、丹下さん演じるヒロイン・ミルの凶暴なまでの可愛らしさ!口癖が「うきゅ!」で、主人公を「オネニーサマ」と呼んで纏わり付くウザ可愛さ。しかも設定によると「両性具有」、つまりフ●ナリだとか。丹下桜がフタ●リなヒロインを演じていたとわ……何というお宝な作品なんだぁぁぁぁぁぁーっ!!!
いかんいかん、本来紹介するはずじゃない『MAZE』について熱く語ってしまった。


さて、丹下さんのアーリーデイズを振り返った印象ですが、『ときメモ』『MAICO』『トラチョコ』のように丹下さんがラジオで携わった作品が目立つ。もっと言うなら丹下さんがブレイクする切っ掛けが、出演作品やそこで演じたヒロインではなく、ラジオパーソナリティとしての「丹下桜本人」で、そこから後追いする形でアニメ出演を重ねて人気キャラを演じるようになった。
出演作品や演じたキャラよりも先に、声優本人の魅力でブレイクを果たす。そんなキャリアを歩んできた丹下桜さんは、90年代に誕生して今につながる、本当の意味での「アイドル声優」の先駆けだと感じます。