嗚呼、素晴らしき声優ユニットの世界

今、声優ユニットがアツい!
ラブライブ!』から生まれた声優ユニット・μ'sが『紅白歌合戦』に出場したり、石原夏織さんと小倉唯さんのユニット・ゆいかおり日本武道館でのワンマンライブが決定したり。まさに声優ユニットの黄金時代に突入しようとしているではないか!
というワケで今回は、僕が独断と偏見で選んだ懐かしの、そして「レジェンド」というべき声優ユニットを紹介してみる。現在入手できそうな作品も併せて紹介しているので、興味を持たれた方はお手に取って下さいな。


やまとなでしこ堀江由衣田村ゆかり

やまとなでしこ

やまとなでしこ

Merry Merrily

Merry Merrily

21世紀における「女性アイドル声優」のトップランナーである堀江由衣さんと田村ゆかりさん。そのお2人がかつてユニットを組んでいた、否、ユニットから声優活動をスタートさせたという事実を、今やどれだけの人が覚えて(知って)いるだろうか。
文化放送アニラジの先駆けである『SOMETHING DREAMS マルチメディアカウントダウン』におけるアシスタントグループ「ドリカンクラブ」の一員としてデビューした堀江さんと田村さん。やがてこの2人が椎名へきるさんの後任としてアシスタント(事実上のサブパーソナリティ)へと昇格した。この時、堀江さんと田村さんに命名された番組内ユニット名が「やまとなでしこ」だった。
『ドリカン』のイベントでライブを披露したり、ネットラジオ黎明期の『ラジオどっとあい』で冠番組を持ったり、シングル曲をリリースしたり、ついには冨永みーなさんの後任として『ドリカン』のメインパーソナリティを務めるまでに至った。
『ドリカン』は2002年に放送終了し、翌2003年にが「やまとなでしこ First Tour '03」と銘打ったコンサートツアーを東名阪で開催。そして、このツアー以降は正式な活動をしておらず、事実上の活動休止状態で現在に至っている。


今なお第一線で活躍する人気声優の「原点」でありながら、現在では形として残っている物がマキシシングル2枚だけというのも、神秘に満ちた「伝説感」を醸し出している。





Prits桑谷夏子望月久代小林由美子水樹奈々
Sakura Revolution

Sakura Revolution

告白“決めてよ!”

告白“決めてよ!”

Private Emotion

Private Emotion

Cherry blossom

Cherry blossom

電撃G’sラジオコンピレーションミニアルバム「Gラジ 音楽部」

電撃G’sラジオコンピレーションミニアルバム「Gラジ 音楽部」

12人の妹たち」というコンセプトで話題になったゲーム&アニメ作品『シスター・プリンセス』から出演者4人で結成されたユニット。
4人のうちセンター的な存在だったのは、作品のラジオ番組『お兄ちゃんといっしょ』でパーソナリティを務めていた桑谷夏子さんと望月久代さん。小林由美子がお姉さん的な存在で、末っ子ポジションが水樹奈々さんだった。
活動は2002年に集中していて、こちらも正式なアナウンスは無いものの事実上の活動休止状態。しかし、「末っ子」である水樹さんがアーティストとして大ブレイクした後、他の3人が曲のコーラスとして参加したり、ライブのサプライズゲストで出演してPritsの曲を披露したというから。
活動期間は短くても、メンバーにとっては掛け替えの無いユニットであることが伺える。


DROPS國府田マリ子金田朋子神田朱未野中藍白石涼子
CAN DROPS

CAN DROPS

青二プロダクション所属の女性声優5人で結成されたユニット。デビュー曲がフィンガー5の名曲『恋のアメリカン・フットボール』のカヴァーで、しかもメンバー全員(もちろん当時30+α歳の國布田マリ子さんを含めて)がチアガール風ミニスカ姿というインパクトで話題になった。
所属レーベルはスターチャイルドで、スタチャ制作のアニメ『せんせいのお時間』ED曲やアニメ化を控えた『魔法先生ネギま!』のイメージ曲を担当するなどタイアップも活発だった。
こちらのユニットも活動は1年限りで事実上の解散状態になった。しかし、DROPSでの活動が切っ掛けになったのか、神田さん・野中さん・白石さんはいずれも後にスターチャイルドからアーティスト活動をしている。また、堀江由衣さんはDROPSに影響されて自身の声優ユニットAice5を結成するなど、後に大きな影響を残した声優ユニットだった。


■TAMAGO(福圓美里門脇舞以
着メロは歌わない(初回)(DVD付)

着メロは歌わない(初回)(DVD付)

3D HEART

3D HEART

タマゴロミックス

タマゴロミックス

文化放送で長年放送され、現在はネットで放送中の『RADIOアニメロミックス』でパーソナリティを務めていた縁で結成されたユニット。ラジオ番組発のユニットらしく、「TAMAGO」というユニット名はリスナー公募によって命名された物。また、デビュー曲の「着メロは歌わない」というのは、番組自体が携帯サイト「アニメロミックス」とのタイアップだったことに由来。
2人が番組パーソナリティを卒業(定期的に交代する)したことでユニットも解散したけど、今なお声優として活躍している福圓さんと門脇さんの、特に劇団を率いている福圓さんにとっては「アイドル声優ユニット」は何ともレア感がある。


みっくすJUICE中原麻衣植田佳奈斎藤千和森永理科
乙女に捧ぐ・・・

乙女に捧ぐ・・・

みっくすJUICE ヴォーカルバラエティアルバム 宇宙百華

みっくすJUICE ヴォーカルバラエティアルバム 宇宙百華

カンパイ!旅立ちの日

カンパイ!旅立ちの日

まるみえ☆みっくすJUICE 第1巻 [DVD]

まるみえ☆みっくすJUICE 第1巻 [DVD]

当時『おとぎストーリー 天使のしっぽ』などの萌えアニメを手掛けていた「ワンダーファーム」の企画で、アイムエンタープライズ所属の女性声優4人で結成されたユニット。コンセプトは「売れない新人アイドル」ということで、基本的な衣装も赤のジャージというこだわりぶり
やがて、ワンダーファーム制作のアニメ『妄想科学シリーズ ワンダバスタイル』にもユニット名およびユニット内キャラクターとして出演し、放送に先駆けてネットTV『アニメイトTV』やラジオ『こむちゃっとカウントダウン』でも冠番組を持ち、作品のプロモーション活動も積極的に行っていた。
最後は正式に「解散」を発表した後、ベストアルバムをリリースしての明確かつ円満な幕引きだった。


そんなみっくすJUICEも、今では「斎藤千和黒歴史」だの「斎藤千和が辛さのあまり血反吐を吐いたユニット」だの、ネタに尾ひれが付いた形で語り継がれている模様。でも、千和さんが近年『かってに改蔵』ラジオや『ツンピリラジオ』で語ったところでは「別に黒歴史じゃない。メンバーの皆とは今でも仲が良い」とか「咳をしたら血が出た、程度の話が大きくなっただけ」とのこと。
だからこそ、みっくすJUICEの再検証と再評価が必要なのではないか!……と思わずにはいられない。