フレーズ付きで紹介したいアニソン Track07~「不思議 CALL ME」(『星銃士ビスマルク』)~

歌詞からアニソンの魅力を多くの人に知ってもらいたい!
フレーズ付きでアニソンを紹介してると嬉しい!!
・・・というアニソン好きのアナタにお送りする、ちょっぴり贅沢なコーナーをチェケェラッ(σ・∀・)σチョォォォォォォォ!!!!!


というワケで今回も僕が独断と偏見と個人的な趣味趣向で選んだお気に入りアニソンを、その魅力をより深く語るために敢えてフレーズを「引用」して紹介します。


なお「引用」であることを強調しているのは……まぁ察して。


今回紹介するアニソンは、このアニソンだ!!

CALL ME…CALL ME
涙のない宇宙に
CALL ME…CALL ME
まばたくシネマ 不思議色
CALL ME



■不思議 CALL ME(『星銃士ビスマルク』OP:MIO《現:MIQ》)




目次
キミは『星銃士ビスマルク』を知っているか
80年代シティポップの名コンビによるアニソン
まずは『不思議CALL ME』から…



■キミは『星銃士ビスマルク』を知っているか
この曲がOPのアニメ『星銃士ビスマルク』は1984年10月から日本テレビ系で放送。製作は「スタジオぴえろ」(現「ぴえろ」)で、設立間も無かった同社にとっては初となるロボットアニメでした。
物語は宇宙の侵略者「デスキュラ星人」の侵略に対抗すべくスーパーロボットビスマルク」と、それに乗り込み戦う「ビスマルクチーム」の活躍を描いています。肩タイトルの『星銃士』が示すように西部劇をモチーフにした作風で、主役ロボットのビスマルクもテンガロンハットを被りマントを羽織ったガンマン風のデザイン。物語もリアルロボット全盛の80年代にありながら1話完結の勧善懲悪で、それが好評だったのか放送期間も当初予定の半年間から1年に延長されました。ちなみに後作品はゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズでもお馴染み『忍者戦士 飛影(とびかげ)』です。


しかし放送から40年近く(!)経った現在、『ビスマルク』を知っている人はどれだけいるでしょうか。実は僕は『ビスマルク』をリアルタイムで観ておらず(少なくとも観ていた記憶は無い)。アニメ情報誌などの媒体で作品名を目にすることも無かったため、作品の存在を知ったのは2000年頃でした。
当時の僕は『スパロボ』にハマった影響でロボットアニメ全般に興味を持ち、レンタルビデオ店を巡っては新作旧作有名無名を問わず様々な作品をチェックしていました。そんな中、某大手チェーン店の、でも人目に付かない棚の隅に、それこそ「とりあえず置いてある」的な扱いをされている『星銃士ビスマルク 傑作選』のVHSビデオを見つけました。ちなみに傑作選と銘打ちつつも収録されているのは最初と最後からの2話ずつの計4話分。そして巻末には何故か『逆襲のシャア』の特報映像が収録されているアバウトさでした(発売元がバンダイビジュアルで発売時期が『逆シャア』公開直前の1988年1月だからと思われます)。


■80年代シティポップの名コンビによるアニソン
そんな『ビスマルク』のVHSビデオを軽い気持ちで借りて観始めたところ、OPのこの曲『不思議CALL ME』で一気に惹き込まれました。曲の良さはもちろん、まるで放送当時にリアルタイムで観ていたかのような懐かしさが込み上げてきました。
さもありなん、作詞を手掛けた大津あきらさんと作曲を手掛けたの鈴木キザブローさんは共に80年代の音楽界を代表するクリエイターで、この2人のコンビで『約束』(渡辺徹)、『for you…』(高橋真梨子)、『輝きながら…』(徳永英明)という今なお語り継がれるシティポップの名曲が創り出されています。
そして歌っているMIOさん(現:MIQ)さんは『戦闘メカ・ザブングル』『聖戦士ダンバイン』『重戦機エルガイム』というサンライズ系ロボットアニメでOP・ED・挿入歌を担当。それらを経ての『ビスマルク』のOPとEDを担当。そして当時のヒットメーカーを迎えて作った『不思議CALL ME』は単なるアニメソングでは収まらない、80年代シティポップ(当時はこの言葉はありませんが)としてのヒット曲を目指して作られたと思われます。
この『不思議CALL ME』もEDの『夢銀河』も、大津さんのロマンティックな歌詞とキザブローさんの繊細なメロディ、そしてMIOさんの伸びやかなヴォーカルは絶品。女性ヴォーカルという点でも『for you…』に通じる魅力を感じさせます。


■まずは『不思議CALL ME』から…
そんな素晴らしいOP曲を得た『ビスマルク』ですが、上述のように現在では殆ど知られていません。映像ソフトは2002年にDVD-BOXがリリースされるも現在ではプレミア化して入手困難。そして各種アニメ配信サイトでも配信されていません。さらに言えば再評価の切っ掛けに成り得る『スパロボ』シリーズにも長年参戦できず、ようやく参戦できたのがスマホゲームの『X-Ω』に、それも期間限定という不遇ぶりです。ロボットが主役機であるビスマルク1機しか登場せず、ドラマ的にも勧善懲悪で地味だった故に特徴に乏しく、結果として埋もれてしまったようです。
その一方でMIOさんはMIQと改名した現在も「スーパーロボット魂」などのアニソンライブで『不思議CALL ME』や『夢銀河』を披露していて、今なお尽きぬ強い思い入れが感じられます。


なので敢えて言いましょう。『星銃士ビスマルク』はMIQさんの歌うOPとEDを、特にこの『不思議CALL ME』を聴くためだけでも観る価値があると。そしてこの曲を切っ掛けにして『ビスマルク』がより多くの人に知ってもらえることを願ってやみません。