フレーズ付きで紹介したいアニソン Track04~「勝利者達の挽歌」(『機動武闘伝Gガンダム』)~

歌詞からアニソンの魅力を多くの人に知ってもらいたい!
フレーズ付きでアニソンを紹介してると嬉しい!!
・・・というアニソン好きのアナタにお送りする、ちょっぴり贅沢なコーナーをチェケェラッ(σ・∀・)σチョォォォォォォォ!!!!!


というワケで今回も僕が独断と偏見と個人的な趣味趣向で選んだお気に入りアニソンを、その魅力をより深く語るために敢えてフレーズを「引用」して紹介します。


なお「引用」であることを強調しているのは……まぁ察して。


さて、1年以上のブランクを経ての久々となる今回紹介するアニソンは、数多ある『ガンダム』シリーズの中でもとびっきり熱い、このアニソンだ!!

立ち上がれ 何も恐れずに
空が燃える 世界が叫びを上げる
あぁ ガンダム



勝利者達の挽歌(『機動武闘伝Gガンダム』挿入歌:大山修司)





ガンダムシリーズのターニングポイント
機動武闘伝Gガンダム』はガンダムシリーズの一作として1994年放送されました。しかし当時のガンダムシリーズは劇場版『機動戦士ガンダムF91』や前年のテレビシリーズ『機動戦士Vガンダム』が商業的な不振となり、大きな曲がり角に直面していました。
そんな逆風の中で作られた『Gガンダム』は当時ブームだった対戦格闘ゲームの要素を大胆に取り入れて「格闘家が世界各国のガンダムに乗り込み、地球の覇権を賭けて戦う」という異色の作品でした。そして「テーマが戦争じゃない」「監督は富野由悠季じゃない」「舞台が宇宙世紀じゃない」という、それまでのガンダムシリーズの全否定とも成り得る作品でもありました。
それ故に開始当初は強い批判もありましたが、個性溢れるキャラクターたちが拳と拳で語り合う熱いストーリーが話題となり、次第に新旧のファンに受け入れられて、やがて概ね好評を得て完結しました。
そして現在では多くの関係者が「『Gガンダム』があったからこそ、ガンダムシリーズが今でも続いている」と語るように、新たなる地平を切り開いたターニングポイントとして評価されています。


■またのタイトルは『翔べ!"G"ガンダム
そんな『Gガンダム』のアニソンは、OPやEDこそ当時の流行に合わせたJ-POP風でした。しかし挿入歌であるこの曲は「これぞ『Gガンダム』のためのアニソンだ!」と言わんばかりの、ひたすら熱い曲。歌詞にも「誰かが お前を呼んでいる 勝利を掴むまで」とか「愛のために 死ねる朝を 探しているのか」とか、熱くて漢(おとこ)臭いフレーズが其処彼処に盛り込まれています。劇中でも主人公たちが敵のモビルスーツ軍団と激闘を繰り広げるシーンや、ガンダムファイトでの激闘を終えて互いの健闘を称えあうシーンなど、まさに「ここが聴かせどころだ!」と言わんばかりのタイミングで流れています。
まさに『Gガンダム』に特化したアニソンですが、一方ではファーストガンダムのアンセムである『翔べ!ガンダム』へのリスペクトも感じられます。例えば歌い出しの「燃やせ その瞳に灯した~」は『翔べ!ガンダム』の有名な歌い出し「燃え上がれ~燃え上がれ~」と連呼されるフレーズに通じます。そして上記で紹介した結びのフレーズも「ああ~ガ!ン!ダ!ム!」と長音から一文字ずつ力強く区切っていて、『翔べ!ガンダム』の結び「きどう~せ~んし~ガンダムゥ~ガ!ン!ダ!ム!」を彷彿とさせます。
ちなみにこの曲が初オンエアされたのは放送開始から半年近く経った第22話(1994年9月放送分)。開始直後の作品への賛否両論を受けて「ファーストガンダムへのリスペクトある曲を!」とか、あるいは「作風に合わせて往年のスーパーロボット的な熱い曲を!」とか、何某かの意図があったのかもしれません。


■"幻の"オリジナルアーティスト
そして最後に触れておきたいのは、この曲のオリジナルアーティストである大山修司さんについて。
大山さんはこの曲が記念すべきデビュー作…なのですが、確認できるリリースはコレ一曲のみ。それどころかネットで調べても、以降に音楽活動をしていた形跡は全く見つかりませんでした。時代が時代ならばアニソンライブに出演して『勝利者達の挽歌』を披露したり、他作品のアニソンを歌唱したり、アニソンシンガーとして様々な活躍が期待できただけに、何とも残念な限りです。


しかし、大山さんが熱く歌い上げた『勝利者達の挽歌』は『Gガンダム』が、否、ガンダムシリーズが人々の記憶から消えない限り、いつまでもファンの間でいつまでも歌い継がれるはずです。
何故なら、この曲の2番の結びで約束を交わすが如く、こう歌われているからです。

闘いは 明日も続くだろう
胸の中で 誰かが叫びを上げる
あぁ ガンダム